台風の通過はバクテリアと植物プランクトンの生産を促進

土屋健司博士と彼のチームは,相模湾を直撃した台風の通過に 海洋のバクテリアと植物プランクトンがどうのように応答するかを調査しました.

この研究は,2010年にやってきた台風”Malou”の通過が, 急激な塩分の低下を引き起こし,大量の栄養塩を導入して, 直後にバクテリアの生産が高くなったことを示しています.

さらに,台風の通過から2日後には植物プランクトンの生産が高くなって バクテリア生産を上回り,5日後には最大値に達しました.

研究チームは,台風の通過によって海底の堆積物が巻き上がり (堆積物の隙間から溶存有機物がでてくるので), これが台風通過直後にバクテリアの生産を高めた理由ではないかと考えています.

Tsuchiya T, Kuwahara VS, Hamasaki K, Tada Y, Ichikawa T, Yoshiki T,  Nakajima R, Imai A, Shimode S, Toda T (2015) Thphoon-induced response of phytoplankton and bacteria in temperate coastal waters. Estuarine, Coastal and Shelf Science 167: 458-465.