ブレア ソーントン博士と彼の研究チームは, 沖縄トラフの深海熱水噴出域において, 世界初となる広範囲(2.5ヘクタール!)の3D海底イメージングによる底生動物の調査に 成功しました.
この成果はDeep Sea Research Iに発表されました.
海底イメージングを行った場所は2010年に, JAMSTECの地球深部探査船「ちきゅう」によって掘削が行われた所です.
この掘削によって人工の熱水噴出孔が出現し, 周辺には熱水域に特有の底生動物が集まってきていました.
研究チームは,掘削から3年4ヶ月たったあとに掘削地を再び訪れました.
3Dイメージング技術を搭載したレーザースキャンカメラ(通称ブレアスキャン) をJAMSTECの無人探査機ハイパードルフィンに搭載して海底動物の調査を行いました.
その結果,掘削した場所の底生動物のバイオマス(生物量)は, 掘削の影響がない場所のバイオマスよりも低いことがわかりました.
ちなみに私は,2.5ヘクタールのイメージ画像にうつっている生物の同定とカウントを担当.
のべ10万回マウスをクリックして,画像にうつっている生物一匹一匹に マーキングをしていたったのは(大変だけど)懐かしい思い出です.
Thornton B, Bodenmann A, Pizarro O, Williams SB, Friedman A, Nakajima R, Takai K, Motoki K, Watsuji T, Hirayama H, Matsui Y, Watanabe H, Ura T (2016) Biometric assessment of deep-sea vent megabenthic communities using multi-resolution 3D image reconstructions. Deep Sea Research I 116: 200-219.