マレー半島の東海岸のサンゴ礁では青色のカイアシ類が数種見られます,
中でも珍しいのが青いアカルチア属のカイアシ類です.
種類はアカルチア・エリスレア(Acartia erythraea)といいます.
これまでポンテラ属の1部やコリケウス属の1部などで
青いカイアシ類が知られていますが,
アカルチア属では知られていませんでした.
興味深いことに,
この青いアカルチア(A. erythraea)と一緒に
採集される別のアカルチア(A. pacifica)は青くありません.
また,マレー半島の西海岸(マラッカ海峡)でもA. erythraeaと
A. pacificaが採集されますが,どちらも青くありません.
なぜ東海岸サンゴ礁のA. erythraeaが青いのかは今のところ分かりません.
カイアシ類が体を青くする理由としては,水の色に体を似せて捕食者から
逃避することや,紫外線から身を守るために,
体に色素を蓄積しているなどが考えられます.
Nakajima R, Yoshida T, Othman BHR, Toda T (2013) First record of a blue-pigmented Acartiid copepod in the tropical coral reef waters of Malaysia. Galaxea Journal of Coral Reef Studies, 15: 27-28.